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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんかん

俊寛

菊池 寛

Lesen Sie 俊寛 (しゅんかん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.455 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

そのうちに、疑い深い俊寛の瞳にも、遥かかなたの水平線に、波に浮んでいる白千鳥のように、白い帆をいっぱいに張りながら、折柄の微風に、動くともなく近づいて来る船の姿が映らずにはいなかった。

俊寛も、狂気のように走り出した。三人は半町ばかり隔りながら、懸命に走った。お互いに立ち止って待ち合せる余裕などはなかった。走るに従って、白帆もだんだん近づいて来るのだった。それは、九州から硫黄を買いに来る船のような小さい船ではなかった。

成経は、感激のために泣きながら走っている。康頼もそうだった。俊寛も、胸が熱くるしくなって、目頭が妙にむずがゆくなってくるのを感じた。見ると、船の舳には、一流の赤旗がへんぽんと翻っている。平家の兵船だと思うと、その船に赦免の使者が乗っていることが三人にすぐ感ぜられた。

船は、流人たちの姿を見ると、舳を岸の方へ向けて、帆をひたひたと下ろしはじめた。やがて、船は岸から三反とない沖へ錨を投げる。三人は岸辺に立ちながら、声を合せて欣びの声をあげた。さすがに、俊寛をも除外しないで、三人は、手をとりあったまま、声をあげて泣きはじめたのである。