Japanische Klassiker mit Furigana
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ぞくてんし
俗天使
Lesen Sie 俗天使 (ぞくてんし) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.894 Zeichen · 16 Bildschirme
バスに乗って、ふりむくと、娘さんは隣りの宿の門口に首筋ちぢめて立っていたが、そのときはじめて私に笑いかけ、そのまま泣いた。だんだんお客たち、帰ってしまう。という抽象的な悲しみに、急激に襲われたためだと思う。特に私を選んで泣いたのでは無いと、わかっていながら、それでも、強く私は胸を突かれた。も少し、親しくして置けばよかったと思った。
これだけのことでも、やはり、「のろけ」という事になるのであろうか。こんなことが、私のとって置きの「のろけ」だとしたなら、私は、ずいぶんみじめな、あわれな、野郎にちがいない。みじんも「のろけ」のつもりでは無いのだ。支那そばやの女中さんから、鶏卵一個を恵まれたからとて、それが、なんの手柄になることか。私は、自身の恥辱を告白しているだけである。私は自身の容貌の可笑しさも知っている。小さい時から、醜い醜いと言われて育った。不親切で、気がきかない。それに、下品にがぶがぶ大酒を呑む。女に、好かれる筈は無いのである。私には、それをまた、少し自慢にしているようなところも在るのである。私は、女には好かれたくは無いと思っている。あながち、やけくそからでも無いのである。