Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぞくしゅう

俗臭

織田 作之助

Lesen Sie 俗臭 (ぞくしゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.630 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

「兄さんの好物や」と伝三郎が手土産に差出した鮑の雲丹漬を見て、権右衛門は、

「贅沢なことするな」といい、そして、「詳しい話は政江がする」と席を立った。政江は敷島三本吸ってから、話の要点に触れた。

「実は千恵さんのことやが、あんた千恵さんの居所知ってるのやろ」

「……………………」

伝三郎はあわてゝ坐り直した。座蒲団が半分以上尻からはみ出した。最近、千恵造から彼の所へはじめての便りがあったのだ。千恵造夫婦は京城にいる賀来子の伯父を頼って朝鮮に渡り、今は京城の色町で、「赤玉」という小さな撞球場兼射的場をひらいてさゝやかな暮しをしている、内地とちがい気候が不順で困る、などとあり、この手紙のことは権右衛門の耳にいれぬ様にと念を押してあった。それでなくとも、政江の前で、知恵造の話は鬼門である筈だ。伝三郎はウンともスンともいわず、たゞ曖昧な音を発音した。――が、何のために政江は千恵造の居所をきくのだろう。「あんた、隠さんと正直にいっとくれなはれや」政江の小さな三角型の眼が陰険に光った。正直にいっとくれなはれや、というのは政江の十八番だった。かね/″\伝三郎は嫂に頭が上らず、之に抵抗するのは容易でないのだ。