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Japanische Klassiker mit Furigana

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やすきちのてちょうから

保吉の手帳から

芥川 竜之介

Lesen Sie 保吉の手帳から (やすきちのてちょうから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.771 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

ウワアズワアスなどもどこが好いのだろう」と云った。

保吉はこのタウンゼンド氏と同じ避暑地に住んでいたから、学校の往復にも同じ汽車に乗った。汽車はかれこれ三十分ばかりかかる。二人はその汽車の中にグラスゴオのパイプを啣えながら、煙草の話だの学校の話だの幽霊の話だのを交換した。セオソフィストたるタウンゼンド氏はハムレットに興味を持たないにしても、ハムレットの親父の幽霊には興味を持っていたからである。しかし魔術とか錬金術とか、occult sciences の話になると、氏は必ずもの悲しそうに頭とパイプとを一しょに振りながら、「神秘の扉は俗人の思うほど、開き難いものではない。むしろその恐しい所以は容易に閉じ難いところにある。ああ云うものには手を触れぬが好い」と云った。

もう一人のスタアレット氏はずっと若い洒落者だった。冬は暗緑色のオオヴァ・コートに赤い襟巻などを巻きつけて来た。この人はタウンゼンド氏に比べると、時々は新刊書も覗いて見るらしい。現に学校の英語会に「最近の亜米利加の小説家」と云う大講演をやったこともある。もっともその講演によれば、最近の亜米利加の大小説家はロバアト・ルイズ・スティヴンソンかオオ・ヘンリイだと云うことだった!