Japanische Klassiker mit Furigana
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ロンドンしょうそく
倫敦消息
Lesen Sie 倫敦消息 (ロンドンしょうそく) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.199 Zeichen · 39 Bildschirme
ハハーいよいよ春めいて来てありがたい、こんな天気は倫敦じゃ拝めなかろうと思っていたが、やはり人間の住んでる所だけあって日の当る事もあるんだなとちょっと悟りを開いた。それから天井を見た。不相変ひびが入っていて不景気だ。上で何かごとごという音が聞こえる。下女が四階の室で靴でもはいているんだろう。部屋はますますあかるくなる。銅鑼はまだ鳴りそうな景色がない。今度は天井から眼をおろしてぐるぐる部屋中を※(「てへん+僉」、第3水準1-84-94)査した。しかし別に見るものも何にもない。まことに御恥しい部屋だ。窓の正面に箪笥がある。箪笥というのはもったいない、ペンキ塗の箱だね。上の引出に股引とカラとカフが這入っていて、下には燕尾服が這入っている。あの燕尾服は安かったがまだ一度も着た事がない。つまらないものを作ったものだなと考えた。箱の上に尺四方ばかりの姿見があってその左りに「カルルス」泉の瓶が立ている。その横から茶色のきたない皮の手袋が半分見える。箱の左側の下に靴が二足、赤と黒だ、並んでいる。毎日穿くのは戸の前に下女が磨いておいて行く。そのほかに礼服用の光る靴が戸棚にしまってある、靴ばかりは中々大臣だなと少々得意な感じがする。