Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そう

僧

小川 未明

Lesen Sie 僧 (そう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.206 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

爺は老耄して、媼は頭が真白であった。一人の息子が、町の時計屋に奉公していて、毎月、少しばかりの金を送って寄来した。それを頼りに細い烟を上げていた。老夫婦は家の周囲には少しばかりの野菜を植えていた。別に売る程の物を取るのでない、ただそれを取って暮していた。初秋の風が吹いて、唐辛が赤くなると、昼間でも、枯枝の落ちた蔭で虫が啼いた。空は水のように青く冴えて、北へと雁が飛んで行くのが見えた。

朝起きて、取り残した赤い唐辛の傍に行って見ると、昨夜、霜が下りたと見えて、僅かばかり出た青い葉が白く凍えていた。

弱い日の光りが、薄赤い荒壁に当っているのを見るとこの村の盛衰が思い出された。

毎年のように、他国から薬売がこの村に入って来たものだ。まだこの小さな村が洪水で荒されない前、この桑畑に人家が幾軒もあった頃、まだこの村の人が町や、他へ移って行かなかった前までは、人家も可なりあったので、その薬売は、毎年夏になるとやって来た。彼等は、日本国中、何様小さな村でも見舞わずに通り過ぎることがなかった。今年、或家に黄色な薬袋を置て去ると、来年、忘れずにその家を見舞って、古いのを新しいのと取り換えて行った。