Japanische Klassiker mit Furigana
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そう
僧
小川 未明
Lesen Sie 僧 (そう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.206 Zeichen · 21 Bildschirme
この時、僧は何処へ去るであろうかと思わしめた。
明る日は、外は白くなっていた。空は不安に、雲が乱れていて、もはや雪の来る始めの日であることが分った。昼時分、やはり何処からともなく僧は村に入って来た。或長屋の角に立って、磐を鳴らして、霙混りの泥途の中に立って、やはり眼を閉って経を唱えていた。
家の中から、女房の声がして、
「さあ、上ますぜね。」といって、つづいてぱらぱらと穴銭の、黒い托鉢の中に落ちる音がした。やがて、女房の姿は、家の中に隠れてしまう。外は、寒い、荒風が吹いて、西北の方から黒雲が押し寄せて来た。僧は、落付いて、何時までも立って、経を唱えていたが、やがてその家の前を去ったのである。
斯様風に、この僧は、毎日、毎日、村を歩き廻った。十日も続いたかと思うと、何時しか何処にか去って村へ来なくなった。村の人は何時からこの僧が来なくなったかを知る者がない。多分、他を廻っていて、この村へは来ないのだろうと思った。それから、一年経って来る時もあった。また二三年経って来る時もあった。
誰も、この僧の年を取ったのを見分るものがなかった。何時、見る時も、曾て、この村に来た時と同じい年頃に見受けた。