Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げんろくじゅうさんねん

元禄十三年

林 不忘

Lesen Sie 元禄十三年 (げんろくじゅうさんねん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.586 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

美濃守は、手前以上に御存じでいらっしゃるから――。」

と、ふと、座敷の隅を見て、

「あそこには屏風が一双ほしいところじゃが――。」

閉めきった隣りの室から、声が聞こえてきた。

「兄上、ここを開けましたる次の部屋に置きます屏風は、狩野法眼永徳あたりが、出ず入らずのところと――。」

そのとおりだった。永徳とは、適ったことをいうやつ――誰だろう、と吉良は、不審に思った。

ぐっとつまって、立ちすくんだように黙っていると、隣室からは、美濃守の声で、

「これ、辰馬の申すように、永徳の屏風をひとつ、つぎの座敷へ入れておくのじゃ。」

係の者が、承知して、頭を下げているようすだった。

五

平茂が、目見得に伴れてきて、ちょっと顔を見た時から、吉良は、気に入ってはいた。

が、何となく、したしみ難いところがあった。といっても、妾奉公を承知で来ている女には違いなかったから、いずれは、先方から、そんな意味でのつとめを申し出るであろう、と、吉良は、そのままにして、迫らないでいるのだった。

夜になって、吉良が寝につく世話をしてしまうと、女は、さっさと自分の部屋へ退って行った。