Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひかりをおおうものなし

光を覆うものなし

坂口 安吾

Lesen Sie 光を覆うものなし (ひかりをおおうものなし) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.115 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

翌日彼らはネガを東京へ持参して振興会の一人ギメの判定勝を急ぐとともに、私の告発を中止せしめるための親しい人々を通しての工作が行われた。

特にふだん甚しく親しい人々が、やむを得ぬ筋の頼みをうけて、シラフでは来られぬので酔っぱらってきたりするのが、彼らにとってもそうであろうが、私にとっても、身を切られるように辛らかったのである。君たちも思いだしたくないであろうが、私も思いだしたくない。今度会うとき、私はむろん忘れているよ。思いださないことにしよう。

何より見るに忍びなかったのは、告発前後三日間、私をかくまってくれた「もみじ」であった。

なぜなら、この旅館のオトクイ筋は、私が敵に廻している側とレンラクあるのが主であった。

いつかこの旅館のためにちょッとだけ役に立つことをしてあげたことがあった。たッたそれだけのために、大事なオトクイ筋の義理を欠いて、私の滞在を秘してかくまい、二日間、一切の宴会客をことわった。ここの一晩の宴会客は大そうな数で、その損失がいくばくか計りがたいほどのものであるが、しかし金銭の損失以上に気の毒なのは、オトクイ筋の義理を欠いて私をかくまった現代ばなれの律儀さだった。