Japanische Klassiker mit Furigana
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とうせいかつしゃ
党生活者
小林 多喜二
Lesen Sie 党生活者 (とうせいかつしゃ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.537 Zeichen · 130 Bildschirme
――伊藤が見ていると、須山はその人ごみの中を糞落付きに落付いて、「悠然と」降りて行ったそうである。
あとでおやじが「誰が撒いたか知らないか?」と一人一人訊きまわったが、確かに須山が撒いたことを知っているものが居るにも拘らず、誰も云うものがいなかった。青年団の馬鹿どもが、口惜しがって、プンプンした。その日、須山のいる第二工場と、伊藤たちのパラシュートでは気勢が挙がって、代表を選んで他の工場とも交渉し、会社に抗議しようというところまで来た。
帰りに須山と伊藤が一緒になると、彼は「こういう時は、俺だちだって泣いてもいゝんだろうな!」と云って、無暗に帽子をかぶり直したり、顔をせわしくこすったりした。
途中、彼は何べんも何べんも、「こうまでとは思わなかった!」「こうまでとは思わなかった! 大衆の支持って、恐ろしいもんだ!」と、繰りかえしていた。
私はビラを撒いた日の様子をきくために、その日おそく伊藤と連絡をとっておいた。私は全く須山が一緒にやって来ようとは考えてもいなかったのだ。私は伊藤の後から入ってきた須山を、全く二三度見直した位である。それが紛れもなく須山であることが分ったとき、私は思わず立ち上がった。