Japanische Klassiker mit Furigana
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とうせいかつしゃ
党生活者
小林 多喜二
Lesen Sie 党生活者 (とうせいかつしゃ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.537 Zeichen · 130 Bildschirme
――私は、下に誰か訪ねてきたりするのには、自分でも驚くほど敏感だった。私はそれで「ハッ!」として眼がさめたらしい。頭をあげると、矢張り巡査だった。戸籍しらべに来ている。私はこういう時に自分が引張り出されないようにと、前から原籍や氏名などを書いて、おばさんに渡してあった。巡査は細々と、しつこく訊いていた。おばさん一家のことも、まるで犯罪でも調らべるようにきいている。これはどうも様子がおかしいなという予感が来た。私は耳をすましながら、書類の入っているトランクに鍵を下ろして、音がしないように着換をはじめた。――「間借は?」ときいている。「ハ、居ます。」……おばさんは茶の間に戻ってきて、私の書いた紙片を渡したらしい。
「これにはこの前にいたところが書いてないね。」……「夫婦かね?」とか、「何時籍が入ったのか、それとも籍が入ってないのかも、これじゃハッキリしていない。」おばさんが何か云っている。「夫の方は勤めてないのか?」……「今、居るの?」――私は来たな、と思った。「今出ています。」おばさんの云うのが聞えた。私はホッとすると同時に、やっぱり有り金をたゝいて間代だけは払って置いて良かったと思った。