Japanische Klassiker mit Furigana
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いれふだ
入れ札
菊池 寛
Lesen Sie 入れ札 (いれふだ) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.917 Zeichen · 19 Bildschirme
才助 みんなよく足がつづいたものだ。
浅太郎 俺たちは、これぐらいのことではびくともしねえが、九郎助や牛松などの年寄は、あれでいい加減へこたれていらな。
才助 だがよく辛抱してついて来たなあ。
浅太郎 常日頃口幅ったいことをいっている連中だ。ついて来ずにはいられめえじゃねえか。
(二人が話している間、九郎助と弥助、並んで出て来る。九郎助は五十に近き老人、弥助は四十前後)
才助 (九郎助に)やあ、稲荷の兄い、足は大丈夫かい。
九郎助 何を世迷言をいいやがる。こう見えたって若い時は、賭場が立つと聞いた時は、十里二十里の夜道は平気で歩いたものだ。いくら年が寄っても、足腰だけはお前たちにひけは取らねえや。
浅太郎 兄い、あんまりそうでもなさそうじゃねえか。榛名の山越えじゃ、少々参っていたようだぜ。
九郎助 何をいってやがらあ。それあお前たちのことだろう。この頃の若いやつらはまだ修業が足りねえや。俺ら若い時にゃ、忠次の兄いと一緒に、信州から甲州へ旅人で、賭場から賭場をかせぎ回ったもんだ。その頃にあ、日に十里や二十里は朝飯前だったよ。
弥助 そうだったなあ、稲荷の兄いの若い時は豪勢なもんだった。