Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
艶々した前髪立ち、年は十二というけれど一見すれば十八、九、鼻高く眼涼しく、美少年であって且つ凛々しい眼の配り方足の運び方、武道の精髄に食い入ったものである。
「何んのこれが白痴なものか」
駿河守は一眼見るとひどく葉之助が気に入った。
しかし葉之助は往々にして度外れた事をするのであった。例えばご前で足を延ばしたり、歩きながら居睡りをしたり、突然大きな欠伸をしたり、そうしていつも用のない時にはうつらうつらと眼をとじて、よく云えば無念無想、悪く云えば茫然していた。
「武道の麒麟児と思ったに葉之助殿はお人好しだそうだ」「食わせ物だ食わせ物だ」
「ぼんやりとしてノッソリとして、ヌッと立っている塩梅は独活の大木というところだ」
「何をやっても一向冴えない。ボーッとしたところは昼の行灯かな」
「昼行灯昼行灯、よい、これはよい譬喩じゃ」
「昼行灯様! 昼行灯様!」
朋輩どもは葉之助の事を間もなく昼行灯と綽名した。
「はてな?」
と駿河守は首を傾げた。「あれほど利口な葉之助が、時々心を取り失うとはちょっとどうも受け取れないことだ。事実脳が弱いのかそれとも明哲保全の策か? ……これは一つ試して見よう」