Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
呼ばれてみれば断わりもならぬ。だから行くのは悪くはないが、どうも少し行き過ぎるようだ」
「注意することに致します」
「そうだな。少し注意した方がいい。家中の評判も高いからな」
これには葉之助も驚いた。
「家中の評判とおっしゃいますと?」
「何さ、別に心配はいらぬ。お前は今では家中の花、悪いに付け善いに付け噂をされるのは当然だよ」
「どんな噂でございましょう?」
「ちと、そいつが面白くない。……大鳥井家は財産家それに美しい娘がある。で、その二つを目的として、繁々通うとこう云うのだ」
「…………」
「アッハハハハ、莫迦な話だ。不肖なれど鏡家は当藩での家老職、まずは名門と云ってよい。たとえ財産はあるにしても大鳥井家はたかが百姓、そんなものに眼が眩れようか。それに紋兵衛は評判も悪い」
「はい、さようでございます」
「強慾者だということである」
「そんな噂でございます」
「お露とかいう娘の方はそれに反して評判がよい。だが私は見たことはない。美しい娘だということだな?」
「ハイ、よい娘でございます」
葉之助は顔を赧らめた。
「たとえどんなによい娘でも、家格の相違があるからは嫁としてその娘を貰うことは出来ぬ。