Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
……金一郎様のご他界は、内藤家におけるお家騒動の、犠牲というに他ならぬ。そうして騒動の元兇は、これは少しく畏れ多いが殿のご舎弟帯刀様だ。……いやいやこれには理由がある。しかしそれはゆっくりと云おう。ところで二人の相棒がある。玄卿と大鳥井紋兵衛だ。紋兵衛が相棒だということは、実はお前さんの手紙によって想像をしたに過ぎないが、いやあいつの性質から云えばそんなこともやり兼ねない。どだいあいつの素姓なるものが甚だもって怪しいのだからな。どうしてあれほど金を作ったかも、疑えば疑われる節がある。それに第一そんな深夜に、ひとりこっそり駕籠に乗って、大槻の屋敷を訪ねた帰路、帯刀様のお屋敷に寄り、その晩若君金一郎様が、ご変死なされたとあって見れば、相棒と見てよろしかろう、相棒というのが不穏当なら、関係があると云ってもよい。ところで肝腎の白粉だが、これはどうやら毒薬らしい。もっとも森家と内藤家とは相当距離がへだたっているのに、その二軒の屋敷を繋いでこの白粉が一直線に、地面に撒かれてあったということから、ちと毒薬にしては変なところもある。うん、どうもこれは少し変だ。毒薬を地面へふり撒いたところで人の命は取られるものでない。