Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
「噂によると水狐族めも、さすらいの旅へ上ったそうだ」
「江戸へ来ているということだ」
「どこかでぶつからないものでもない」
「ぶつかったが最後、戦いだ」
「そうだ戦いだ、腕が鳴るなあ」
「種族と種族との戦いだからな」
「種族の怨みというものは、未来永劫解けるものではない」
「だが、水狐族の部落の長、久田の姥めが殺された今は、戦ったが最後こっちの勝ちだ」
「姥を殺したのは葉之助だ」
「葉之助は俺らの恩人だ」
「だが気の毒にも呪われている」
「永久安穏はないだろう」
「眠い」
と女の声がした。
するとみんな黙ってしまった。
彼らは睡眠にとりかかった。
やがて鼾の声がした。
木蔭を立ち出で北山は、町の方へ足を向けた。
「ふうむそれでは葉之助は、山男の血統を引いてるのか」
彼は心で呟いた。
「久田の姥を殺したのは、鏡葉之助の他にはない。……彼らの噂した葉之助は、鏡葉之助に違いない……これを聞いたら葉之助はどんな気持ちになるだろう……明かした方がいいだろうか? 明かさない方がいいだろうか? ……だが多四郎とは何者だろう?」
上野の方へ足を向けた。
「大胆不敵な葉之助のことだ、素姓の卑しい山男達の、たとえ血統を引いていると聞いても、よもやひどい失望はしまい。