Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

二人の武士はセリ詰めて来た。尚、葉之助は動かなかった。

場内は寂然と静かであった。松明の火が数を増した。火事場のように赤かった。後から後からと無数の信者が、出入り口からはいって来た。みんな得物を持っていた。

出番の来るのを待っていた。まさに稲麻竹葦であった。葉之助よ! どうするつもりだ※(感嘆符疑問符、1-8-78)

その時鏘然と太刀音がした。

一人の武士が頭上を狙い、もう一人の武士が胴を眼がけ、同時に葉之助へ切り込んだのを、一髪の間に身を翻し、一人を例の袈裟掛けで斃し、一人の太刀を受け止めたのであった。

受けた時には切っていた。

他流でいうところの「燕返し」、一刀流で云う時は、「金翅鳥王剣座」――そいつで切って棄てたのであった。

金翅鳥片羽九万八千里、海上に出でて竜を食う、――その大気魄に則って、命名したところの「五点之次第」で、さらに詳しく述べる時は、敵の刀を宙へ刎ね、自刀セメルの位置をもって、敵の真胴を輪切るのであった。敵を斃すこと三人であった。ワーッと叫ぶと信者の群は、ムラムラと後へ退いた。しかしすぐに盛り返した。迷信者は何物をも恐れない。