Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
たまたま死からまぬかれた獣は、山を慕って逃げてしまった。
だがどうして葉之助は、水狐族の群に追い縋り、討って取ろうとはしないのだろう?
彼は途中で思い出したのであった。
「殿の根岸の下屋敷を警戒するのが役目だった筈だ」
で彼は道を変え、根岸を指して走っていた。雉子町を通り、淡路町を通り、駿河台へ出て御茶ノ水本郷を抜けて上野へ出、鶯谷へ差しかかった。
左右から木立が蔽いかかり、この時代の鶯谷は、深山の態を呈していた。
と行手から来る者があった。ひどく急いでいるようであった。空には月も星もなく、その空さえも見えないほどに、木立が頭上を蔽うていた。で四辺は闇であった。
闇の中で二人は擦れ違った。
「はてな、何んとなく知った人のようだ」
葉之助は背後を振り返って見た。
すると擦れ違ったその人も、どうやらこっちを見たようであった。
が、その人も急いでいれば、葉之助も心が急いていた。そのまま二人は別れてしまった。
葉之助は根岸へ来た。
殿の下屋敷の裏手へ行った。
「あっ」と彼は仰天した。地面に一筋白々と、筋が引かれているではないか。
「しまった!」と彼はまた云った。