Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

吃驚りしたように呟いた。

それは天野北山であった。

「殿のお屋敷は大丈夫かな?」

走り走りこんなことを思った。

「葉之助殿はどうしたろう? 殿の下屋敷を警戒するよう、あれほどしっかり頼んでおいたのに、今夜のような危険な時に、その姿を見せないとは、甚だもってけしからぬ次第だ。だがあるいは病気かもしれない。……

だんだん火事は大きくなるな。行って様子を見たいものだ。だが俺の出府した事は、殿にも家中にも知らせてない。顔を出すのも変な物だ」

谷中から下谷へ出た。

「さてこれからどうしたものだ。葉之助殿には至急会いたい。窩人の血統だということを教えてやる必要があるようだ」

火事は漸次大きくなった。下谷辺は騒がしかった。人々は門に立って眺めていた。

「とにかくこっそり駕籠へでも乗り、葉之助殿の屋敷を訪ねてみよう。頼みたいこともあるのだからな」

駕籠屋が一軒起きていた。

「おい、芝までやってくれ」

「へい、よろしゅうございます」

威勢のいい若者が駕籠を出した。で北山はポンと乗った。

駕籠は宙を飛んで走り出した。

銀座手前まで来た時であった。前方にあたって鬨の声が聞こえた。