Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
他の武士が突進した。竹槍を持った窩人の一人が、武士のために手を落とされた。
石が雨のように降って来た。額を割られて呻く者があった。
二、三人パタパタと地へ斃れた。窩人だか水狐族だか解らなかった。死骸を乗り越えて進む者があった。
岩太郎の武者振りは壮観であった。
藤巻柄の五尺もある刀を、棒でも振るように振り廻した。またたく間に数人を切り斃した。一人の敵が飛びかかって来た。横撲りに叩き伏せた。ムラムラと四、五人が掛かって来た。大廻しに刀を振り廻した。四、五人が後へ逃げ出した。彼は突然振り返った。一人の敵が狙っていた。
「畜生!」と叫ぶと肩を切った。プーッと霧のように血が吹いた。
杉右衛門は窩人に守られていた。往来の真ん中へ突っ立っていた。声を嗄らして彼は叫んだ。
「大将を討ち取れ! 大将を討ち取れ!」
彼の顔は光っていた。火事の光が照らしたからであった。彼は槍を提げていた。その穂先から血が落ちていた。
水狐族の男女の教主達も、信者に守られて立っていた。二人ながら大声で叫んだ。
「教法の敵! 教法の敵!」
「一人も遁がすな! 一人も遁がすな」
窩人の群は教主を目掛け、大波のように寄せて行った。