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Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

翌日鏡葉之助は、蘭医大槻玄卿の、悪逆非道の振る舞いにつき、ひそかに有司へ具陳した。

その結果町奉行の手入れとなり、玄卿邸の茴香畑は、人足の手によって掘り返された。はたして幾人かの男女の死骸が、土の下から現われた。で玄卿は召し捕られ、間もなく磔刑に処せられた。

だが邪教水狐族の、秘密の道場へつづいていた、地下の長い横穴については、事実大槻玄卿も、知っていなかったということである。では恐らくその穴は、ずっと昔の穴居時代などに、作られたところの穴かも知れない。

だがマアそれはどうでもよかろう。

さて鏡葉之助は、それからどんな生活をしたか?

「いつまでも年を取らないだろう。……永久安穏はあるまいぞよ」

水狐族の長久田の姥が、末期に臨んで呪った言葉――この通りの生活が、葉之助の身には繰り返された。

彼はいつまでも若かった。心がいつも不安であった。

今日の言葉で説明すれば、強迫観念とでも云うのであろう。絶えず何者かに駈り立てられていた。

そうしてかつて高遠城下で、夜な夜な辻斬りをしたように、またもや彼は江戸の市中を、血刀を提げて毎夜毎夜、彷徨わなければならないようになった。