Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
権九郎はちょいと耳を傾げた。
「そうさ。馬鹿に賑やかだの。宴会でも開いているのだろうよ」ニヤニヤ笑いながら多四郎は云う。「計画いよいよ図に当たりかね」
「え、何んだって? 計画だって? 定り文句を云ってるぜ、お前の計画も久しいもんだからの」
「まあサ権九、そうは云わねえものだ。大きな仕事をしようとするには長い用意がいるからの」
「そいつア俺にも解っているが、さてその計画というやつがな、どうも俺には呑み込めねえ。たかが城下の味噌や米をこの俺らに中継ぎさせて、部落の奴らへ売り込んで高い分銭を儲けるにしてもあぶく儲けというほどでもねえ」
「こうこう権九、拝むぜ拝むぜ。蚊の涙にも足りねえようなそれっぱかりの儲けを目当にこんな小屋まで造ると思うか。俺ののぞみはもっと大きい」
「豪勢強気に出やがったな。こいつア大きに話せるわえ。それじゃ頼む聞かせてくんな。お前の計画っていうやつをな」
「うふ、とうとう降参か、智恵のねえ奴は気の毒なものさね。……よしか、話すから聞きねえよ。俺の目差す御敵は第一が黄金第二が女よ」
「何んだ詰らねえそんなことか。何がその他にいい物がある? とかく浮世は色と金、ちゃアんと昔から云っているじゃねえか」