Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
邪魔がはいったところまでよ」
「うん。違えねえ、その邪魔だが、相手もあろうに坊主とけつかる」
「ウワッハハハ、ウワッハハハ」
「おい笑うのは酷かろうぜ、何んとか挨拶がありそうなものだ」
「でもお前坊主丸儲けよ。お前に勝ち目はねえじゃねえか」
「だから俺ら悄気てるのさ」
「え、悄気てるって? その面で?」
「引き戻す工夫はあるめえかな?」
「智恵を貸さねえものでもねえが、女の様子はどうなんだえ」
「俺らに逃げを張っているのだ」
「ふうん、そいつア困ったのう」
「何んだ! それで智恵面があるか! 人に貸そうも凄じい。……ちゃアんと目算は出来てるのよ。そうよここだ、胸三寸」
「それじゃ早く云えばいいに」
「お前をちょっと験したところよ。おい、風呂敷を解いてくんな、誂え物を見てえからの」
「合点」
と云いながら権九郎は城下からここまで背負って来た包み物を解き出した。
美しい塗り下駄、博多の帯、縮緬の衣裳、綸子の長襦袢、銀の平打ち、珊瑚の前飾り、高価の品物が数々出る。
「男が見てさえ悪かあねえ。若い女に見せようものなら、それこそ飛びついて来るだろう」
「ははあ、それじゃその獲物で、ワナへ落とそうと云うのだな」