Japanische Klassiker mit Furigana
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へいほうしゃ
兵法者
山本 周五郎
Lesen Sie 兵法者 (へいほうしゃ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.184 Zeichen · 16 Bildschirme
さむらいの奉公は御しゅくんに身命を捧げるところから始る、だが身命を奉るということはなまやさしい問題ではない、その覚悟が家常茶飯のなかに溶けこみ、まったく常のものになりきっていなければ、その時に当面しても「死ぬ」ことはできないであろう、なにがしは奉公の性根ということを口にし、身命を捧げると云いながらそれほどの試みにも堪えることができなかった。光圀がかれを試みたのは、さむらいの生き方のきびしさがどのようなものかを悟らせるためであった、自分がさきに一個のさむらいとして、きびしく身を持した光圀のこしかたを思い返せば、それは寧ろ慈悲であったというべきだろう。――だが、このおれはどう生きてきたか、幾右衛門はあらためて自分をかえりみた、そして、慄然と息をのむよりほかになかったのである。……更けてゆく夜をこめて、雨は小歇みもなく降りしきり、炉の火のはぜる音が、ときおり部屋のうちにひっそりと反響をよび起していた。