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Japanische Klassiker mit Furigana

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えんちょうのぼたんどうろう

円朝の牡丹灯籠

田中 貢太郎

Lesen Sie 円朝の牡丹灯籠 (えんちょうのぼたんどうろう) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.815 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

そこで新三郎は三崎村へ往った。そして、彼方此方と尋ねてみたが、それらしい家がないので、不思議に思いながら帰ろうと思って新幡随院の方へ来た。新三郎はもうへとへとになっていた。其の新三郎が新幡随院の境内を通りぬけようとしたところで、堂の後になった墓地に、角塔婆を建てた新しい墓が二つ並んでいた。そして、其処には牡丹の花のきれいな燈籠が雨ざらしになっていた。新三郎の眼は其の牡丹燈籠に貼りついたようになった。それは彼のお米がお露とともに毎夜点けて来る燈籠とすこしも変わらなかった。新三郎はもしやと思って寺の台所へ往って聞いてみた。すると其処にいあわせた坊主が、

「あれは牛込の旗下で、飯島平左衛門と云う人の娘と、婢の墓だ」

と云った。それを聞くと新三郎は蒼くなって走った。そして、其の足で勇斎の処へ往って右の事情を話した。

「占いで、来ないようにできますまいか」

「占いで幽霊の処置はできん。彼の新幡随院の和尚はなかなか豪い人で、わしも心やすいから、手紙をつけてやる、和尚の処へ往って頼んでみるがいい」

新幡随院の住持は良石和尚と云って、当時名僧として聞えていた。新三郎は勇斎から手紙をもらって良石和尚を尋ねて往った。