Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えんちょうのぼたんどうろう

円朝の牡丹灯籠

田中 貢太郎

Lesen Sie 円朝の牡丹灯籠 (えんちょうのぼたんどうろう) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.815 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

「伴蔵さん、伴蔵さん」

と云って、お米とお露が縁側へ寄って来た。伴蔵が顫えながら返事すると、お米が、

「毎晩あがりまして、御迷惑なことを願い、まことに恐れいりますが、まだ今晩もお札が剥れておりませんから、どうかお剥しなすってくださいまし」

「へい剥します、剥しますが、百両の金を持って来てくだすったか」

「はい、たしかに持参いたしましたが、海音如来のお守は」

「あれは、他へかくしました」

「さようなれば百両の金子をお受け取りくださいませ」

お米はそう云って伴蔵の前へ金を出した。それはたしかに小判であった。まさか幽霊が百両の金をと内心疑っていた伴蔵は、それを見るともう怖いことも忘れて、

「それでは、ごいっしょにお出でなせえ」

と云って、二間梯を持ち出して新三郎の家の裏窓の所へかけ、顫い顫いあがってお札を引剥がした機に、足を踏みはずして畑の中へ転げ落ちた。

「さあお嬢さま、今晩は萩原さまにお目にかかって、十分にお怨みをおっしゃいませ」

お米はお露を促して裏窓から入って往った。

翌朝になって伴蔵は、欲にからんでやったものの、さすがに新三郎のことが気にかかるので、おみねを伴れて容子を見に往った。