Japanische Klassiker mit Furigana
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えんちょうのぼたんどうろう
円朝の牡丹灯籠
田中 貢太郎
Lesen Sie 円朝の牡丹灯籠 (えんちょうのぼたんどうろう) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.815 Zeichen · 16 Bildschirme
島田髷の腰から下のない骨と皮ばかりの女が、青白い顔に鬢の毛をふり乱して、それが蝋燭のような手をさしのべて新三郎の頸にからませていた。と、其の時、傍にいた丸髷の、これも腰から下のない女が起ちあがった。同時に伴蔵は眼さきが暗んだ。
三
伴蔵は顫いながら家へ帰り、夜の明けるのを待ちかねて白翁堂勇斎の家へ飛んで往った。そして、まだ寝ていた勇斎を叩き起した。
「先生、萩原さまが、たいへんです」
勇斎は血の気のない伴蔵の顔をきっと見た。
「どうかしたのか」
「どうのこうのって騒ぎじゃございませんよ、萩原さまの処へ毎晩女が泊りに来ます」
「壮い独身者のところじゃ、そりゃ女も泊りに来るだろうよ。で、その女が悪党だとでも云うのか」
「そう云うわけではありませんが、じつは」
伴蔵はそれから前夜の怪異をのこらず話した。すると勇斎が、
「此のことは、けっして人に云うな」
と云って、藜の杖をついて伴蔵といっしょに新三郎の家へ往った。そして、いぶかる新三郎に人相を見に来たと云って、懐から天眼鏡を取り出して其の顔を見ていたが、
「萩原氏、あなたの顔には、二十日を待たずして、必ず死ぬると云う相が出ている」