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Japanische Klassiker mit Furigana

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にとせろうじん

再度生老人

佐左木 俊郎

Lesen Sie 再度生老人 (にとせろうじん) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.770 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

また卵をやると、老人はさっさと台所から小鍋を持って来て、和尚の前で、一人でうでて食った。二つやっても、和尚にはやらずに御飯の時に食うのだと言って取っておいてまでも、決して和尚にはやらなかった。

「早く天神様を描いてけいんか。」と私は、幾度も寺へ遊びに行くたびごとに繰り返すのだった。

「あ、描いてやる。そのうち、気が向いたら描いてやる。」と再度生老人は言った。

「駄目なんだ。この爺様は、生きたうち気が向かねんだから……」と傍から和尚が言った。

私は、本当にそうかも知れないと思った。幾度「バット」を買って来てやっても、幾度卵を盗んで来てやっても、「気が向いたら描いてやるじゃ。」と言うばかりで、決して描いてくれなかった。

「お前さんには、一生描いてやる気になれんかも知れんが、他の人になら、向くこともあるじゃ。」と老人は言った。

すると焼和尚は、厭な厭な、雇い人からやり込められた主人のように、むっとしてしまって、すっかり黙りこくってしまうのである。おそらく、食客のくせにとでも思ったのだろう。だが再度生老人は平気だった。

和尚はたびたび私の家に風呂に這入りに来たが、再度生老人は、一度父が綿入れをやった時来たきり、もうやって来なかった。