Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
めいどこうしんきょく
冥土行進曲
夢野 久作
Lesen Sie 冥土行進曲 (めいどこうしんきょく) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.807 Zeichen · 50 Bildschirme
それ程スラスラと私の頭から辷り出た。辞世というものはコンナ風にして出来るものかも知れないと思うと思わず胸がドキンドキンとした。富士山は日本の大動脈瘤じゃないか知らん……といったような怪奇な聯想も浮かんだがコイツはどうしても歌にならなかった。
東京駅で降りて築地の八方館という小さな宿屋に風呂敷包とバスケットを投込むと直ぐに理髪店に行った。頭を真中からテカテカに分けて、モミアゲを短かくして、鼻の下の無精鬚をチョッピリ剃り残すとスッカリ人相が変ってしまった。それから夕方になるのを待ちかねて銀座に出て、ズラリと並んでいるカフェエや酒場を新橋の方からなし崩しに漁り初めた。絶縁同様になっている伯父の行衛を探すにはこの方法以外に方法はない……日印協会に問合わせたり、区役所を調べてまわったり、古馴染の右傾団体から手をまわしたりして万一感付かれたらカタナシになる。電話帳に本名を出しとくような狐狸とは段違いの怪物だからウッカリした事は出来ないと思ったからだ。
私は何とかして不意打に伯父に会わねばならぬ。ズバリと度胆を抜いて頭ゴナシの短時間に退引ならぬところへ逐い詰めてしまわねばならぬ。