Japanische Klassiker mit Furigana
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めいどこうしんきょく
冥土行進曲
夢野 久作
Lesen Sie 冥土行進曲 (めいどこうしんきょく) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.807 Zeichen · 50 Bildschirme
どんな事があっても騒ぐなよ。俺の生命がけの仕事を邪魔するなよ」
大寺教授の自宅に「退院御礼」と書いた菓子箱を置いて博多駅前のポストに学部長宛の辞表を投込んだ私は、間もなく着いた上りの急行列車に風呂敷包を一つ提げて乗込んだ。幸い識合いの者に一人も出会わなかったのでホッとした。敏感な弟も、こうした私の最後の目的ばかりは察し得なかったと見える。
私の最後の目的というのは一つの復讐であった。
私には義理の伯父が一人ある。名前を云ったら知っている人もあるだろう。須婆田車六といって日印協会の理事だ。その伯父は目下奇術師で、朝野の紳士を散々飜弄した揚句、行衛を晦ましている毒婦、雲月斎玉兎女史とくっ付き合って、目下、銀座のどこかで素晴らしい人肉売買をやっている事を私はチャント知っている。しかも巨万の富を貯えて印度貿易に関する限り非常な潜勢力を有し、非常時の内治、外交の裡面に重大な暗躍を試みているらしい事も、私が嘗て東京で、暴力団の用心棒をやっていた関係からチャンと睨んでいる。
伯父はそうした異国趣味のエロ商売で、日本に亡命して来る印度の志士や、潜入して来る各国のスパイ連を片端から軟化させているという噂だ。