Japanische Klassiker mit Furigana
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ふゆがれ
冬枯れ
徳永 直
Lesen Sie 冬枯れ (ふゆがれ) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.850 Zeichen · 48 Bildschirme
赤ン坊をおぶったある…………が、両方に二三人の子供を連れていたが、五銭玉と引換えに一袋の餡パンをツカむと、イキナリ自分の口へもっていったその顔! 泣き叫ぶ背の子や、両手に争って獅がみつく子供達を振りもぎって、まず自分の口へもっていったその顔! 頭髪は乱れ、眼は血走り、黄色い歯を剥き出してパンに噛みついているその醜い激しい顔※(感嘆符二つ、1-8-75) ――それがとっくりと判った気がした。
赤ン坊の泣声や、男の子の叫びたてる声が、断続的に遠く近く、またはるかに遠くきこえていた……。
「父ちゃん――」
フッと、うつろな眠りから醒めると、眼の前の腕木に凭れて、男の子のションボリした顔がのぞいていた。
「赤ン坊はどうした?」
男の子は、隣の腰掛に、赤ン坊を抱いていてくれる田舎風の婆さんを指さしてみせた。鷲尾は礼を述べて赤ン坊を受取ると、いくらかラクになった気持で四辺を見廻した。夜中ででもあるか、車内は眠ってる人が多かった。女房は相変らず力無い眼をうッすらと開けたまま窓に獅がみついていて、子供達は窮屈そうに眠っていた。
「シッカリしろよ」
そういうと、女房は微かに肯いた。