Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
「これから指名しますから、当った人は成るべく詳しく自己紹介を願います。河原君」
と突如私を指した。私は立ち上ったが、用意がない。慌しく出身中学と生年月日を言って着席したら、立花君が、
「御郷里は何処ですか? 何うぞもう少し」
と請求した。私は又立って、
「郷里は静岡県○○町、千秋の雪を戴く富士山の裾野であります」
と附け足した。
「静岡県、もっとやれ」
と野崎君が力をつけてくれた。
「赤羽君」
と立花君が指名した。私達は三人並んでいた。
「私は群馬県の産であります」
と赤羽君が立上った時、皆クス/\笑った。もう幾度も聞いている。
「群馬県と申しても、馬ばかり出るところではありません。大人物が出ています」
「始まったぞ、新島襄先生が」
と野崎君が先廻りをした。
「新島襄何者ぞ? 彼の如きは群馬県の本領を語るものに非ず。群馬県からはもっと豪い人物が雲霞の如くに輩出している」
「誰だ?」
「国定忠次を初めとして、日本国中を風靡したる長脇差を見よ。彼等は皆上州の産だ。上州長脇差という言葉さえ出来ている。静岡県の比でない」
「…………」
「臍が茶を湧かす。静岡県の富士の山が何だ?」