Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
「何うだい? メイソンさんを休んで散歩に行こうじゃないか?」
と昼食の折、誰か発起する。私もその一人だった。入学当座の決心はもう疾うに消え失せていた。
「宜かろう」
と放課を待ち悶えている煙草連中は素よりその気がある。
「しかし授業が進むと後が苦しいぞ」
「安部君と吉田君を買収しよう」
と早速相談を持ちかける。安部君も紳士だ。
「賛成だね。こんな好い天気の日には自然界へ出て瞑想するに限る」
と応じる。吉田君も、
「僕は少し疲れているから、休もうかと思っていたところだ」
と元来病弱だから、決して反対しない。級長の立花君は特待生という都合上、自分一人善い子になりたがって、これを奇貨とする傾向がある。
「皆休むとストライキになるから僕丈け出て、先生に断りを言おう。一人じゃ授業はしないよ」
と自分の為め又一同の為めに然るべく計らってくれる。しかしこれを度々やると、猪股先生に叱られる。
紳士達は斯ういう散歩の途上、調子に乗って悪戯をする。或日、野崎君が畑に沿った栗の木へ登った。赤羽君は下で拾う役を勤めた。高木君と私は見張番をしていた。
「こら!」
と百姓が突然物蔭から現れた。