Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

憎らしい。こゝにいるハワース先生、日本語、未だ少しも出来ません。この間先生の自転車、人力車に当りました。俥屋さん、憤りましたが、先生、日本語、分りません。巡査さんが来て、先生にあやまりました。又、この間私の自転車、人力車に当りました。私、日本語出来ます。俥屋さん、『生意気な野郎だ』と申しました。巡査さんが来て、長いこと、私を叱りました。私、日本語出来るの損を感じました。何うぞ、皆さん、誤解なきように願います」

と結んだ。何の誤解か分らない。恐らく余り日本語が上手なので、野崎君が憤ったと思ったのだろう。

その日、野崎君と赤羽君の問答が面白かった。

「君、何うする?」

と赤羽君が訊いた。

「矢っ張り退学する」

「それじゃ約束が違う」

「何故?」

「苟くも刎頸の交を結んだ以上は、君が退学すると、僕も退学しなければならない」

「君は勝手にし給え」

「一体君は何が気に入らないんだ?」

「僕はお金儲けの学問だ。実業界が志望なんだからね」

「僕だって然うだよ」

「それなら行動を共にし給え」

「いや、僕はこゝで勉強しても同じことだと思う」

「こゝは魂の問題が先じゃないか?」

「あれは人格のことだよ。