Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅっぽん

出奔

伊藤 野枝

Lesen Sie 出奔 (しゅっぽん) von 伊藤 野枝 (いとうのえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.423 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

と思うと登志子はもう涙をいっぱい目に溜めていた。一昨日も先生の電報を見た時に、先生はこんなにまで気をつけてくださるのかと登志子はやはり涙溜めて志保子に先生のことを話した。

登志子はすぐ先生の手紙を読んだ。

「御地からの手紙を見て電報を打った。意味が通じたかどうかと思って今も案じている。金に困るのならどこからでも打電してください、少々の事は間に合わせますから。弱い心は敵である。しっかりしていらっしゃい。事情はなお恭しく聞かねばわからないがとにかく自分の真の満足を得んがために自信を貫徹することが即ち当人の生命である。生命を失ってはそれこそ人形である。信じて進むところにその人の世界が開ける。

いかなる場合にもレールの上などに立つべからず決して自棄すべからず

心強かれ 取り急いでこれだけ。

今家へあて出した私の手紙の最後の一通が、あなたの家出のあとに届いたであろうと思われる。たれか開封して検閲に及んだかもしれない。熱した情を吐露した文章であったから、もしそれを見た人があるとすればその人は幸福である。」

先生はこんなにまで私の上に心を注いでくださるか、私は本当に一生懸命にこれから自分の道をどんなに苦しくともつらくとも自分の手で切開いて進んで行かなければならない。