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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅっけものがたり

出家物語

坂口 安吾

Lesen Sie 出家物語 (しゅっけものがたり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.838 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

「お前はなにかえ、死んだ亭主と幸福だったてえけど、どんな風に幸福だったんだ」

「毎日、幸福だったわ」

「毎日、なんだな、あんなこと、やってたというのだろう」

「そら、そうよ。毎日々々よ」

幸吉は腹の中でゲタゲタ笑った。これで正体がわかったというものだ。彼はもうあんまり徹底的に女を軽蔑しきっているので、自分でも面喰ったほどであるが、同時に荒々しい情慾がわき起って、情念の英雄豪傑というような雄大な気持になった。

そこで彼は征服にとりかゝる。侵略でもある。キヨ子の前夫を退治るという意気込みであった。

自らも驚くほどの逞しい情慾であったが、キヨ子の情慾はさらに執拗であった。幸吉の胸の下につぶれたような断髪があって、さゝやきもとめ、うながしても、幸吉はもう徒らに蒸気のような息をふいて汗みどろに、うごめくばかり、全然だらしのないビヤダルであった。

「主人は病身だったのよ。だから、よく会社を休んだわ。けれども、あの方のエルネギーは別なのよ。病気で会社を休んでも、昼一日私をはなしたことがないのよ」

幸吉は疲れきってかすんだ耳にキヨ子の声をきいた。

「主人はいろんな風に可愛がってくれたわ。