Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はつなつのそらでわらうおんな

初夏の空で笑う女

小川 未明

Lesen Sie 初夏の空で笑う女 (はつなつのそらでわらうおんな) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.940 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

その娘は、いい声で一日唄を歌っているのでした。

「この娘さんは、おまえさんと異って歌うことが好きなんです。それで、こうして、好きな唄をうたっているのですよ。おまえさんは、今日からかってに、この家で踊りなさるがいい。」と、お嬢さまは、いわれました。

娘は、自由なところだと思いました。そして、はじめて、長い間の望みがかなったように思いました。いい声で、歌っていた少女は、ぶどうのような、うるんだ目でじっと、新しく、ここへきた娘を見ながら、

「あなたは、草の葉や、赤い花から、踊りを教わったとお姉さまから聞きましたが、私は、また唄を小鳥から、あのみみずから……風から、いろいろなものから習いましたの。私は青い着物を着て、こうして歌っていると、ちょうど自分が小鳥のような気がして、それは、うれしいんですよ……。」

青い着物の少女が、お嬢さまを姉さんといいますので、彼女もまた、お嬢さまのことを姉さんということにしました。

この唄を歌うことの好きな少女は、やはり自分の家にいる時分、朝晩、歌っていましたので、唄をきらいな、気むずかしいお父さんは、娘をしかって、どこへでもいってしまえといいました。