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Japanische Klassiker mit Furigana

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はつこい

初恋

矢崎 嵯峨の舎

Lesen Sie 初恋 (はつこい) von 矢崎 嵯峨の舎 (やざきさがのや) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.226 Zeichen · 39 Bildschirme

Aozora Bunko

蕨はもウそッちのけ,自分は娘の先へ立ッて駆けながら、幾たびも人を呼んで見たが、何の答えもなかッた。

「こちらの方ではなかッたかしらん」娘は少し考えていて、「あッちかも知れません、秀さん、あッちへ往ッて見ましょう」

走け出して見た、が見当らぬ,向うかも知れぬ、とまたその方へ走け出して見たが見当らぬ,困ッた。娘はさも心配そうにしきりと何か考えていたが、心細そうな小さな声で,

「秀さん、あなた、道を知ッていますか?」

自分とてこのへんはめッたに来たことのないところ、道を知ろうはずはない、が方角だけはようようと考えついた。

「いいえ、よくは知らない,けれどこッちの方が境だから、右の方へずんずん往きゃア、あの、きッと境へ出るから、そうすりゃア、もうわけはない。もしか見つからなきゃア、なんの、先へ帰ッてしまいましょう」

娘はしばらく考えていたが、少しは安心した様子であッた。

「もし先へ帰ッたら、きッと皆さんが心配しましょう。それにせっかく一しょに参ッたものを」……少し考えていたが、「まアこッちの方へ往ッて見ましょう、もう一度,今度はどこまでも往ッて見ましょう。よウ、何をぼんやりして……秀さん」