Japanische Klassiker mit Furigana
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はつこい
初恋
矢崎 嵯峨の舎
Lesen Sie 初恋 (はつこい) von 矢崎 嵯峨の舎 (やざきさがのや) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.226 Zeichen · 39 Bildschirme
娘は眉を顰めて、不審そうに自分の貌を見ていたが,
「おやなぜ? 悲しくないことはありませんが,もウ父上も帰らなければなりませんし……それにいろいろ……」言おうとして止め、少し考えていて,
「秀さん、私ももウ今夜ぎりで帰るのですから、仲よく遊びましょう。ね。さア。もウ泣くものではありません、さア泣き止んで」
ああ何として泣かれよう,自分の耳には娘のいう一言一言が、小草の上を柔らかに撫でて往く春風のごとく、聞ゆるものを,その優しい姿が前に坐ッて、その美しい目が自分を見て、そして自分を慰めているものを,ああ何として泣かれよう。五分も過たぬ内、自分はもウ客座敷で、姉や娘と一しょになッて笑い興じて遊んでいた。
翌日の晩方自分は父ともろともに、叔父と娘とを舟へ乗り込むまで見送ッたが,別れの際に娘は自分に細々と告別をして再会を約した。自分は父と並んで岸辺に立ッて、二人が船へ乗り込むのを見ていたが、その時の心持はどんなであッたろう,親兄弟にでも別れるように思ッた,そしてその別れる人の心は何人のことを思ッているのかと思うと、なお悲しさも深かッた。娘が桟橋を渡ッて、いよいよ船へ乗り込もうとして、こちらをふり向いて,