Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
……それでも私、後で可哀そうになったから、持っていたお銭を二三円あったのを、銀貨入れのまゝそっくり遣ったよ。煙草なんかだって、悪い煙草を吸っているんだもの。……くれて遣ったよ。私。」と、ホッと息を吐いて、後は萎れて、しばらく黙っている。
「身装なんか、何様な風をしている?」
「そりゃ汚い身装をしているさ」
「どうも私には、まだ十分解らない処があるが、余程深い理由があるらしい。宮ちゃんも少し何うかして上げれば好い。」
「何うかしてあげれば好いって、何うすることも出来やしない。際限がないんだもの。」と、お宮は、怒るように言ったが、「私もその人の為にはこれまで尽せるだけは尽しているの。初め此方が世話になったのは、既う夙に恩は返している。何倍此方が尽しているか知れやしない。……つまり自分でも此の頃漸く、私くらいな女は、何処を探しても無いということが分って来たんでしょうと思うんだ。斯う見えても、私は、本当の心は好いんですから、そりゃ私くらい尽す女は滅多にありゃしないもの。……ですから其の人の心も、他の者には知れなくっても、私にだけは分ることは、よく分っているの。」