Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
……あれから、あゝして、あゝしている間に秋海棠も咲き、コスモスも咲いて、日は流れるように経って了った。……
それにしても、胸に納まらぬのは、あの長田の手紙の文句だ。帰途に電車の中でも、勢いその事ばかりが考えられたが、此度のお宮に就いては、悪戯じゃない嫉妬だ。洒落れた唯の悪戯は長田のしそうなことではない。……碌に銭も持たないで長居をするなどは、誰れに話したって、自分が悪い。それに就いて人は怨まれぬ。が、あの手紙を書いた長田の心持は、忌々しさに、打壊しをやるに違いない。何ういう心であるか、余処ながら見て置かねばならぬ。もし間違って、此方の察した通りでなかったならば、其れこそ幸いだが。それにしても、他人との間に些とでも荒立った気持でいるのは、自分には斯う静と独りでいても、耐えられない。兎に角行って様子を見よう。自家にいても何だか心が落着かぬ。
と、また出て長田の処に行った。
長田は、もう一と月も前から、目白坂の、あの、水田の居たあとの、二階のある家に越して来ていたから、行くには近かった。――長田は言うに及ばず、その水田でも前に言った△△新聞社の上田でも、村田でも、其の他これから後で名をいう人達も、凡てお前の一寸でも知っている人ばかりだ。