Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
わかれのじ
別れの辞
豊島 与志雄
Lesen Sie 別れの辞 (わかれのじ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.330 Zeichen · 37 Bildschirme
妹は今退屈してるのよ。親切な兄さんなら、ゆっくり話していって下さる筈よ。」彼は素気なく答えた。「いや、人形を持ってくれば、もう用はないんです。」そして帰っていった。退院後、彼女はそれらの人形を自分の室の机上に並べて涙ぐんだのだった。
そういうことが、「笹本」のお上さんの口から、また清子の口から、私達の間に知れ渡った。宮崎も隠そうとしなかった。だから私達は、初め、宮崎と清子は愛し合っているのだろうと想像した。然し二人はそういう様子が少しもなかった。殊に宮崎には、清子に興味を持ってる風さえ見えなかった。彼はつまらなそうに酒を飲みに来、酔うとやりきれないところを見せるが、それは清子とは縁遠いものから来てるらしかった。一体私達常習飲酒者は、誰もみな、世の中がつまらないような、何となくやりきれないような、謂わば危機めいた調子をどこかに持ってるものであって、それだから酒を飲むのか、酒を飲みすぎるからそうなのか、その点は甚だ不明瞭で、恐らくは両方だろうが、健全に溌溂と酔っ払う者は至って少い。そして何かしら刺戟がほしくなる。宮崎と清子との仲は何でもないと分れば分るほど、私達は当が外れた気持になっていった。