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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくこく

刻々

宮本 百合子

Lesen Sie 刻々 (こくこく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.401 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

清水は無骨な指でひろげた号外をたたきながら云った。

「……いや、皆わかってはいるんだがね」

それからさりげなく、

「是枝操に会いましたか?」

と訊いた。

「……文化団体の人ですか」

「そうじゃない、是枝恭二の細君だ」

「知らないな」

「ふむ」

改めて、

「この、君の文章の中の『この地球はじめて人間らしい憲法がつくられた』とか『勤労大衆の代表と社会主義社会建設の闘士を選べ!』とか云うのは、どういう意味なんだ」

と詰問した。自分は、

「どれ、一寸見せて下さい」

と注意ぶかくその部分を読みかえして見た。

「……非常にはっきりしているのじゃないかしら。――ソヴェト同盟ではこうであると事実を云っているのだから……」

「日本の労働者は、じゃアどうしろという意味なんです?」

「この記事は、それを扱っていませんね」

啓蒙的な記事としては、そこが欠点であった。自分はそう思うのであった。

「大体、こんなものに書くという法はないじゃないか※(感嘆符二つ、1-8-75)」

「…………」

「え? 君の小説こそ読ましてもらいたい。僕はこれでもずっと夏目漱石や君の小説は読んでいたんだからね。……立派に小説が書けるのにこんなものへ書かなくたっていいんです。