Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lesen Sie 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.568 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

小鼻の小さい高い鼻、――いやという程高いので、益々人相を険悪に見せる。いつも皮肉な揶揄的の微笑が、唇の辺りにチラツイている。だが一種の好男子とは云える。

この家の主人鮫島大学で、無禄の浪人でありながら、非常に豪奢な生活をしている。――と云う噂のある人物である。

その鮫島大学の前に、膝を崩して坐っているのは、ちょっと言葉に云い表わせないような、濃艶さを持った女であった。薄紫の単衣、鞘形寺屋緞子の帯、ベッタリ食っ付けガックリ落とした髷の結振りから推察ると、この女どうやら女役者らしい。よい肉附き、高い身長。力のある立派な顔、女役者としても立て物らしい。大きなハッキリした二重瞼眼、それには情熱があふれている。全体が非常に明るくて、いつも愉快な冗談ばかりを、云いたそうな様子を見せている。人生の俗悪そのもののような、興行界に居りながら、それに負けずに打ち勝って行く――と云ったような女である。

小屋掛けではあるが大変な人気の、両国広小路にこの頃出来た、吉沢一座の女歌舞伎、その座頭の扇女なのであった。年は二十二三らしい。

明るく燈火が燈もってい、食べ散らし飲み散らした盃盤が、その燈火に照らされて乱雑に見え、二人ながらいい加減酔っているらしい。