Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠 (けんきょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.961 Zeichen · 310 Bildschirme
極悪非道の吸血鬼、変質性の惨虐の本性、今ぞ現わして陣十郎は、甲源一刀流上段の構え、左足を踏み出し太刀を振り冠り、左手の拳、柄頭の下から、憎々しく主水を横平に睨み、鍔際を握った右の手で、からかうように太刀を揺すぶった。
勝れた業の恐ろしさよ! 振り冠られた刀身は、凍った電光のそれのように、中段に太刀を付けた主水の全身を、威嚇し圧して動かさなかった。
八方へ心を配ったあげく、博徒一人をともかく切った。人一人切った心身の疲労、尋常一様のものではない。のみならず敵を追い二町の耕地を、刀を振り振り走って来た。その疲労とて一通りではない。主水は疲労に疲労ていた。そのあげくに向けられた悪剣!
眩む眼! 勢む呼吸!
4
博徒〆松の横腹を、懐剣で一突き突いて倒し、散った博徒の間を突破し、陣十郎の後を追う、兄主水に追い付こうと、澄江は疲労に疲労た足で、耕地を一散に走ったが、懲りずに追い縋る博徒三人に、又も囲まれ切り込まれた。
「まだ来る気か!」と女ながらも、田宮流の小太刀を使っては、男勝りの手練の女丈夫、しかし獲物は懐剣であった、相手の脇差は受けられない、そこで飛び違い遣り違わせ、機を見て突きつ切りつして、