Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠 (けんきょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.961 Zeichen · 310 Bildschirme
……その陣十郎に誘き出された? ……一大事! 捨てては置けぬ! ……とは云えどこへ? どこへ主水殿は?」
向こうへ向こうへと云ったばかりで、どの方角へ行ったとも云わず、再度澄江は気絶してしまった。
「どこへ? どっちへ? 主水殿は?」
「杉さん……てっきり……高萩村だア!」
それまで側に佇んで、気を揉んでいた藤作が叫んだ。
「このお女中を引っ担ぎ、連れて行こうとしたからにゃア、先刻の奴らァ陣十郎とかいう、悪侍の一味でごわしょう。その先刻の奴らといえば、高萩村の猪之の乾兒で。ですから恐らく陣十郎って奴も猪之の家にいるのでござんしょう。ということであってみれば陣十郎とかいう悪侍、主水様とかいうお侍さんを、高萩村の方角へ……」
「いい考え、そうだろう。……では拙者はその方角へ……藤作殿頼む、澄江殿の介抱! ……」
「合点、ようがす、貴郎は早く……」
「うむ」と云うと股立取り上げ、大小の鍔際束に掴み、大薮のある方角とは、筋違いの方角高萩村の方へ、浪之助は耕地の土を蹴り、走った、走った一散に走った。
この時上尾宿の方角から、馬大尽を迎えに出、慰労とあって猪之松により、乾兒共々上尾宿の、山城屋で猪之松に振舞われ、少し遅れてその山城屋を出た、高萩村に属している、四人の博労が酔いの覚めない足で、機嫌よくフラフラと歩いて来た。