Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうさくかのたいど

創作家の態度

夏目 漱石

Lesen Sie 創作家の態度 (そうさくかのたいど) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.224 Zeichen · 128 Bildschirme

Aozora Bunko

少なくとも自分に縁故のもっとも近い他人のものとして取り扱う事ができると申しました。愛と云うと一字であります。自分の愛と人の愛と云えば、たとい分量性質が同じでもついに所有者が違って参ります。愛の見当が違います。方角が違います。したがって自己の過去の愛と他人の愛とは等しく非我の経験と見傚し得ます。この点において主観的なる愛そのものを一歩離れて眺める事ができます。ただ困る事は、時により場合により増減があって、変化の度が著るしく眼につくんで、それがため客観的価値が大分下落致します。のみならず悲しい事には、いくら客観的に見る事ができても、客観的に写す事ができない性質のものであります。ある坊さんに、あなたちょっと魂を手の平へ乗せて見せておくれんかと云われて、弱った人があります。これが私なら、魂と云う字を手の平へ書いて坊さんに見せてやろうと思います。それと同じ事で客観的に愛が見られるなら、客観的に愛を書いて見ろと云われるなら、ただ愛とかいて見せます。甘いとか、辛いとか書くのと同じ意味で書いて見せます。白いとか黒いとかいう意味で書いて見せます。しかし愛の一字じゃいけないから、もっと長く分るように書いて見ろと云われるなら、それじゃ小説でもかこうと申します。