Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
なんだか覚えのある文句だと思ったのである。
「逃げられた上にお説法をされて、お嫁さんを貰うほどの成績じゃありませんからなんて、あなたは随分不見識な人ね」
「痛い!」
「性をつけて上げるのよ」
「痛い/\!」
「この手でお書きになったんですから」
と妻は僕の右の手の甲を抓り上げた。
「読んだのかい?」
「いゝえ」
「それじゃどうして分る?」
「検閲して上げたのよ」
「兎に角、目を通してくれたんだね?」
「気になりますわ、私だって」
「ナカ/\巧いだろう?」
「案外お書けになりますわね。主人公のノロマさ加減が迫真力の強い描写で運んでありますから、読んで行く中になんだか心許ない淋しい気持になりますわ」
「先ずもって好評だな」
と僕は満足だった。
「貶しているのよ。こんな風じゃ行末が案じられますって」
「今のところでは然ういう心持になるのが当り前だ。その積りで書いているんだからね。しかし読んで見て余り感じの悪いところはカットしても宜い。そんなところがあるかい?」
「ありますとも」
「何の辺だい?」
「全部よ」
「おや/\」
「見っともないじゃありませんか? 豊子さん/\って、あんな下品な人に恋い焦れて」