Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
「一つ僕が当てゝ御覧に入れます」
「それがいけない」
「しかし当てなければ、ドカッと儲からないでしょう?」
と僕は本気だった。
「飛んでもないことだよ。家で働くからには断って置くが、手張りは一切無用だ。口銭だけを稼いで貰う」
「はあ」
「一口に株屋というと無暗に儲かって派手な商売のようだけれど、実はこれぐらい地味な稼業はない。又地味にやって行かなければ、立ち行かないように出来ている」
「はあ」
「ところが口銭を稼ぐだけじゃ手間仕事だと思うから、ついドカッとやって、ドカッと損をする。兜町に三代目なしという諺は実際だ。親が口銭で叩き上げた身代を息子がドカッとやって失くしてしまう。俺は家の商売をやって貰うのは嬉しいけれど、それが心配でならない」
「大丈夫です」
「その大丈夫が当てにならない」
「地味にやります」
「それはドカッと儲ける人もある。しかしその裏に丁度それだけ損をしている人があるんだから、表ばかり見て羨ましがっちゃいけない。お前なんか手を出せば、どうせ損の方へ廻るんだ。手張りは一切やりなさんなよ」
「承知しました」
「それじゃ明日から丸尾について、場へ出て見なさい」
「はあ」