Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
さあ天狗になってしまった。
「丸尾さん、どうですか?」
「恐れ入りました。運試しとしてはこの上ありません」
「百やって置けば三百円でした」
「千やって置けば三千円。一寸凌げます」
「一万やって置けば三万円。十年ぐらい凌げます」
手初めが成功だったから、直ぐに病みついて又やった。今度は百だった。しかし然ういつも柳の下に泥鰌はいない。その日の中に下り始めたから、慌てゝ手放した。前に儲けただけを悉皆吐き出してしまった。
「若旦那、何うですか?」
「危いところでした」
「しかし見切りのお早いには感心しました。明日まで頑張っていて御覧なさい。百五十円じゃ済みません」
「矢っ張り、うっかりはやれませんね」
「お分りになりましたか?」
「いや、思いがけない悪材料が出たからです。直観は当っていたんですけれど、運がなかったんです」
「これが儲けっきりに儲かるものなら、こゝにいる人は皆金持になってしまいますよ」
「理窟は無論それに違いないんですけれど」
「違いないけれど、自分丈けは何うにかなりそうに思うのが弱味です。尤もそれがあるから各自斯うしていられるんでしょう」
取って取られたのだからトン/\だ。